シンポジスト:伊藤 久美子 (寒川親の会「あめんぼうの会」)
初めまして、伊藤です。うちの子は今、湘南養護学校の3年生、男の子です。生まれて9年です。うちの子はちょっと内臓疾患をもちながら生まれてきまして、子ども医療センターとの関わりが切れない、切ったらそのまま死んでしまうという状態でした。
3歳ぐらいまでは、体力も全然なくて、入退院を繰り返したり、勿論、元々持っている内臓疾患の根治手術もしなくてはいけなくて、そこまで行くまでに結構かかり、本人も本当につらかったと思います。
持って生まれた力が強かったのか、どうにか克服してくれて、今ではそんな事があったの、と言われるくらい元気なのですが、元気な反面、いろいろなことに成長と共に困ること(親が困るだけなのか、本人は全くあっけらかんとしていますが)まわりにいる大人達や皆が振り回されていくことがだんだん大きくなってきました。
まして、今はもう小学3年生で、伸び盛りです。体力も確りついてきたこともあり、また、なかなか今まで自分が動けなかった部分で、じっと人を観察しながら見てきた事が、体にも動きが加わって、結構おとなしそうにみえるのですが、やり始めるとすごい、いつも大人の目が無いと危ない、という現状です。わかっているところは分かっていても、私たちの観念とは少しずれている所があって、それを制止するにもちょっと大変です。
小さいときは本当にもう、医療と療育で、終わってしまっていたのですが、その頃は自分たちだけで、どうにか対応もできましたし、母もまだ若かったので、それこそ、住所をこっちに変えてしまおうかというくらい母を呼べば、上に2人子どもがいますので、その子達のこととか、よく面倒を見ていてくれたのです。けれどもやはり、息子が9歳ということは、母も9歳年をとったということで、肉親でも、兄弟も沢山いますが、身内でもなかなか頼めないようになってきました。
通園施設に通っていた時は、すぐ近くにあったものですから、その時間帯だけは母子分離ができて、結構ゆっくりできていました。ですがそれ以降、学校に上がり、(今は寒川から湘南養護まで通っています。相模線と東海道線を乗り継いでスクールバスで行くというパターンをとっていて、それも本人のため、公共施設を使いながら、ということと考えた上でおこなっています)私が元気なうちはやっていけるのですが、これがやはり、今の時期だと風邪をひいて本人は元気なのに親の方がダウンしてしまう時に、さあ、どうしましょう、という話になります。ちょっと主人が遅れて送って行ったり、でも、帰りのお迎えをどうしましょう、ということに。近くにある学校ならば、すぐにお友達に頼んだりもできるのですが、何せ、川を越えて行かなくちゃいけない、電車に乗るにも、ちょっと慣れないと連れて帰ってもらうのもなかなか大変ということで、「休ませるか」となってしまいます。
学校に入る前に社会福祉協議会の方とか、父母の会の方からいろいろ助言を頂いて、こういうサービスが使えるよとか、あったものですから、そちらの方にお聞きしに行きながら、もし私が、親が送迎できない時は、何らかの形でお願いできないかということをちょっとお願いしてあります。私になにかあっても、すぐには使えないので、練習の意味で利用させていただいて、学校の方にも、先生にも、こういう形で、もしかして具合が悪くなった時に備えて社協の方とか、ボランティアさんと一緒に迎えに来るようなことがありますから、と言いました。いざという時のために、何度か練習をさせていただきまして、いろいろあの手この手を利用しながら、この3年間、使ったのはまあ、3回くらいあったのですが、ちょっと自分の用事もあったりして迎えに行かれない時にお迎えだけお願いしたりしていました。
そういうふうにうまく使える施設や体制があると、なかなか親の方も楽というか、楽してはいけないと思うのですけれど、ちょっと困った時にはそんな体制があったらいいいと思っていました。あと、どうしても、何か用があって、これは駄目かなと思ったときには、うちは七沢の方に登録してあるので、学校を休ませて、七沢の方に頼んだりとか、あちこち利用できる所を捜しながらどうにか今はやっています。
以上は親が何かあった場合、という問題点からお話しましたが、「日々の生活」ということになりますと、学校から帰って来て、3時か、3時半頃になりますけれど、それからがまた長いんです。やはり私の所の場合は、1人で遊んでいられるといっても、家の近所10メートル以内はどうにか1人でスコップを持ったり何かして、またほうきを持ったりして遊んでいますが、お友達と関わることはなかなか無くて、そこにいつも親が入っていないと、見ていないと、ちょっと困るものですから、余暇活動、放課後の過ごし方が日々の生活の中で問題となります。いつも手を引いて、犬の散歩をしながら、田んぼのあぜ道を歩いたり、たまには、お友達のところへ、ちょっと遊びに行かせていただいて過ごしたり、とかです。遊ぶ場所は沢山あるのです。寒川ですから。ですけれど、その中に入って行くには、なかなか入って行けない。公園などに行っても、小さいお子さんがブランコに乗っているとこも、普通の小学生ならば待つことができて、乗ったりしますが、何かかまわず、自分が乗りたかったら、乗ってしまう、みたいになると遊ぶ場所は沢山あるけれども、そこに入って行けない自分たちがいて、いつも、ちょっと淋しいものです。それでもなんとか言いながら、一緒に遊んだりもしていますけれど、そんな時も、自分一人だとちょっとつらいけれど、障害とか、ちょっとハンディを持ったお友達の中の何人かがいると、一緒に親も少し余裕を持って、接することができるのだけど、なかなかいつもそういう訳にはいきません。
そんなこんなを通園事業の時の仲間と話をした折に、何かちょっとあるといいよね、プールっていいよね、という話になったのです。昔、藤沢の石名坂で、私もちょっと見たことがあって、それを通園事業にいらっしゃった先生にご相談したところ、やはり、その石名坂のプールのことをご存知でいらして、そこから先生を紹介していただいて、現在、「あめんぼうの会」という、プールを通じて、プールの中で水に親しみながら、社会性を身につけたり、親子の親睦をはかる会の活動を行っています。場所はあえて、用賀の方にある、高座施設温水プールという公共の施設を利用させていただいてやっています。会員は今、13名ほどいますが、精・肢、一緒です。車椅子の方もいらっしゃるし、知的障害の子もいます。今、小学生が大部分を占めていますが、大人が2人(うち1人が車椅子の方)います。
「あめんぼうの会」が、月3回ないし、4回の活動があって、放課後は一応、そういうので(土曜日が原則で、あと火曜日やっています。)親もそこに行けば、仲間がいるということで、親子共々プールに入りながら、親もちょっとは痩せなければ、ということで、でもなかなか痩せずにいますけど、楽しい時間を過ごすことができていると思います。
また、3年半の「あめんぼうの会」を通して、電車に乗ってあちこちへ行こう、とかいう活動も何とかやってきて、楽しい部分もあるのは勿論のことですけれど、それだけではなく、段々と仲間作りをしながら、そこからまた一歩先へ出ていけるといいなと思い、また、お母さん方で、ああでもない、こうでもないと言いながらやって来ています。
一歩先、というのは、例えば先程のサマースクール(私もちょっと子どもだけを参加させていただいたのですが)のようなレスパイト的な部分、夏休みもあるし、放課後もあるし、1年中のことを考えたこれからの場所が欲しいし、大人になるためにもそういう場所が欲しいです。段々とそういう仲間作りの方に向かって行きたいと思いながら今は活動をしています。
身内だけでは、最終的に支援していけない部分も出てきますので、その時には、親の仲間作りの中から少しずつ、違う方面でも、いろんな方から手を差しのべていただきながら、子どもを育てていきたいなと思っていますので、よろしくお願いします。
司会:和田氏(上杉、伊藤終了後の「レスパイト」説明部分)
「レスパイト」ないしは「レスピット」
レスパイトケア、レスパイトサービスといい、休息のための一時預り事業のことを言います。昔は緊急一時保護とか一時利用とかいう形で、家族が冠婚葬祭や病気などの際に利用された制度がありましたが、最近はそれに限らず介護している家族が休息をとるために、要介護者を預かるサービスが行われるようになりました。
それでは、続きまして上田さん、よろしくお願いします。
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